『障害者用の駐車場に車を停めるのは非常識?』という問題について。

『障害者用の駐車場に車を停めるのは非常識?』
というテーマが、
ネットで大議論されているようです。

僕は20歳の時にオートバイで事故を起こして、
脊髄を損傷し下半身の自由を失いました。

車イスを利用して生活をしています。

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両足こそ動きませんが、
自動車を運転する事が出来ます。

自動車には、
手で操作する機械を装備します。
両手だけで自動車を運転するのです。

オートマチックの自動車であれば、
運転装置が取り付け可能です。

たとえポルシェだろうとベンツだろうと、
オートマチックですと、
装置を取り付けて運転が出来ます。

僕自身が障害を持っていますが、
その運転装置を、
製造・取り付け販売をする会社に入社しました。

出典:ニッシン自動車工業関西
http://www.nissin-kansai.com/



当時の会社は、
奈良県橿原市という街にありました。
「(株)ニッシン自動車工業・関西」
という会社で5年ほど働いていました。

僕の仕事というと、
車イスを利用しながらも、
病院や福祉施設に出向いて、
「障害者自動車運転装置」
をセールスするのです。
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僕は実際に、
改造した自動車を運転して、
お客さんに観て頂いたり、
装置に触れて貰ったりします。

そして、
僕自身がメカニックでもありました。

両足は動きませんが、
上半身は健常者以上の体格でしたし、
元々、
オートバイを自分で整備していましたので、
自動車の運転装置を、
新車に取り付ける作業はお手の物です。

上半身だけを使って、
新車の自動車に乗り込んで、
2~3時間ほどで装置を取り付けます。
こういう装置を、
両手だけで取り付けていました。

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奈良県を中心に、
近畿2府4県を営業し、
出張取り付けに出ていました。

僕にとって、
自動車は生活に欠かせない物です。
大切な移動手段です。

バスなども整備されていますが、
バスなどは混雑します。
そうなると、
他のお客さんに迷惑が掛かります。

そんな時、
自分の自動車があって、
好きな場所に気兼ねなしに行けるのです。

しかし、
自動車を運転していて、
一番困るのが駐車場です。

というのも、
自動車を運転する時は、
車イスを折りたたんで、
自動車の中に入れます。

駐車する時は、
ドアを全開に大きくあけて、
車イスを下して、
車イスに乗り移ります。

車のドアを、
大きく開けないと、
車イスが下せないのです。

車イスが下せなければ、
車外に出れません。

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そのためには、
駐車場の、
一番端っこを利用するだとか、
運転席側のドアを、
大きく開けるスペースがある場所を、
探さないといけません。

そんな時に助かるのが、
障害者用の駐車スペースなのです。

障害者用の駐車スペースですと、
幅が広いので、
ドアを大きく開けて、
車イスを下しやすくなります。

とても助かるのです。

しかし、
運転席側のドアの近くに、
自動車を停められてしまうと、
車イスの利用者は、
ドアを大きく開けて、
自動車に乗りこめなくなります。

そんな不都合が無くなるための、
社会の思いやりが、
障害者用の駐車スペースだと思うのです。


僕は、
障害者用の駐車スペースに、
自動車を停車する人を、
モラルのない人だとは思いません。

停車して良いとは思いませんが。

モラルがないのではなくて、
障害をお持ちの方の、
「苦労を知らない」
だけだと思うのです。

自分が障害を持ってしまって、
日常生活に苦労して、
初めて、
障害を持った方の気持ちが理解出来ると思うのです。

だからと言って、
健常者に対して、
お前らも障害を負えと言っているのではありません。

もし、
知り合いの方に、
車イスを利用している人がいたならば、
少し、
車イスを借りて、
1人でスーパーに買い物に行って欲しいです。

歩道を、
車イスでこいで、
ちょっとした段差を乗り越える苦労を、
踏切を渡る恐怖を体験して欲しいのです。

そうすれば、
障害者の方が、
どんな暮らしをしているのかが、
少しは理解出来るでしょう。

ネットで、
文字だけで、
議論していても答えなんて出ないと思う。

実際に、
健常者の方々に体験してもらって、
それで、
判断してもらえば結論が出ると思う。


僕は、20歳までは健常者でした。
健常者の生活も体験し、
障害者になってからの生活も体験しました。

僕が言えることは、
「体験しないと解らないものもある」
という事です。

言い換えれば、
「体験して解ることもある」のです。

口先だけの議論ではなくて、
実践してみてはいかがでしょうか?

体験してみては、
いかがでしょうか?


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