思いやり

一昨年の10月に、大阪府の病院で入院しました。
半年にわたる入院生活を終え、
去年の6月に退院出来ました。


当時、下半身に出来た「床ずれ」の手術をするための入院でした。
脊髄損傷で、下半身の感覚がなくて、
床ずれが出来てしまうのです。


また、その床ずれが原因で、
両足を切断してありませので、余計に床ずれが出来やすいのです。


慢性腎不全で人工透析を受けるようになって、
人口透析に通うために、
頻繁に車イスに乗るようになって出来た床ずれでした。
皮肉なものです。



一昨年に入院していた事の僕は、
心が病んでいました。


人を信じることが出来ませんでした。



しかし、
奈良県から大阪府の病院へ入院し、
誰も知り合いが居なくて、
知らない土地で暮らしていて、
心が解放されたような気がしました。

凄く、病院が居心地が良かったのでした。




病院のスタッフさん達も、みんな優しかったです。

何でしょう、
「心がこもって」いました。


言葉を1つ語るにしても、思いやりを感じました。

奈良県の病院で受ける言葉、親切とはまた違う、
優しさがありました。


次第に、僕の心が開かれました。

たぶん、
僕の体を労わってくれていたのが、よく伝わったからだと思う。


他所の病院では、
とうか、
人工透析を受ける施設では、味わえないような優しさです。

慢性腎不全になって、透析施設に行くと、
何だか違和感があります。

「怒られているような感覚」があります。

「不摂生な生活をした罰だ!」
と言われているような、圧力を感じるのです。



こういった病気の多くが、
自堕落な生活者が多いようなイメージがあるのでしょうかね。

自堕落な生活者っていう決めつけられて、
冷ややかなケアになるのでしょうか。

「どうせこいつらは、好き勝手してきて、
こんな病気になったんだ。」


そう、心の中で思っているんだろうと感じました。



透析施設と、一般の病院では、
治療に取り組む姿勢が違いますからね。

透析施設は、
「治らない病気のケア」ですから。

一般病院は、
「病気を治そう!と患者と共に力を合わせるケア」ですから。



そういった意味でも、
透析施設でのケアは、作業的な感じを受けます。
それ以上を、望むから痛い目に合うのですがね。(笑)


僕の偏見ですが、
透析施設では、見下された感じがあります。
「コイツらは自堕落な人間だ」というレッテルが張られていて、
少しでも除水量が多ければ、「やっぱりだらしない人間だ」と揶揄され、
少しでも努力している姿を見せると、
「どうせ続かないだろ、3日坊主だろ」と揶揄される。

泣き言を言おうものなら、
「好きかってしてきた自業自得だろ?」
と18番のセリフを投げつけられる。

この病気になってしまっては、
何をやっても揶揄されるようです。

そう言う人ばかりではありませんが、
事実、
そういう揶揄する人も居ますからね。




透析施設で感じる違和感と、
そういった無言の圧力や圧迫感が、
僕の心を閉ざしていたのです。



それが、
大阪府の病院では、心が開かれたのです。

大阪府の病院は、一般的な病院です。


誰一人として、
僕を責める人が居ません。



慢性腎不全になった事、
誰も僕を責めません。



それどころか、慰めてくれたほどです。
嬉しかったです。
慰めて貰えて。



慢性腎不全になって、
誰にも慰められませんでした。

それどころか、辛い思いをして、
バカにされてきましたからね。



そういったことで、
透析施設では、僕はなかなか心を開くことが出来ません。
未だにね。


透析施設に、期待はしていません。
ただ、黙って治療をして欲しいだけです。

こちらもこちらで、
精一杯の努力をして、治療に励みますので。



大阪府の病院では、
担当の看護師さん付いてくれました。

素敵な女性でした。

僕に子供がいたならば、
僕の子供くらいの年頃の女性です。


僕は、
「この担当の女性と一緒に暮らしたい」と思いました。
素直に、そう思いました。



ある時、
担当の看護師さんに言いました。
「宝くじが当たったら、結婚して欲しい」と伝えました。

素敵な女性ですが、
女性として結婚するのではなくて、
僕の財産を全て、彼女に委ねたくての結婚です。

それと、
この子なら、僕の全てを任せれると感じたからです。


仕事が出来て、美人で、
愛嬌もあって、才色兼備という言葉が、
この女性のためにあるんだなって思うほど、素敵な女性でした。


担当の看護師さんがお休みの時は、
違う看護師さんがケアして下さる。

違う看護師さんも、とても優しい。
気使いをしてくれます。

いつも、「困ったことがあったら言ってください」と、
何度も言ってくれます。

それを聞いていて、ふと思ったんです。


担当の看護師さんからは、
「困ったことがあったら言ってください」
なんて、言われたことがないよな・・・・って。



というか、
僕の方も、ナースコールを押すことが、ほとんどないのです。


どういことか?お分かりでしょうか?


担当看護師さんが、
「僕が困らないように整えてくれている」からなのです。



いつも、僕の部屋に来ると、
会話しながらでも、ベッド周りから、いろいろチェックしています。
不足があれば、補ってくれています。

僕が困らないように、全てを整えてくれているのです。


だから、
担当の看護師さんが、「困った事があったら・・・」なんて言わないのです。
そういう看護師さんです。



皮肉な言い方ですが、
患者はね、
「困った事があっても、言い難くてガマンする」んです。

困ったことがあって、
ナースコールを押すと、忙しそうな顔をしてこられ、
後回しにされたり、嫌な顔をされると辛くなるんです。

そういった、気の弱い僕のような患者もいるんです。
困ったことがあっても、言えない患者がいるのです。


そんな僕には、
担当の看護師さんが、僕の家族のような優しさがありました。



恥ずかしさも無くて、
面と向かって結婚して欲しいって言いました。

看護師さんは、笑っていました。



結婚とまではいきませんが、
もし、大金を得ることがあったならば、
一緒に暮らしたいなって思ったのは事実です。



僕には、誰かを養う力も、財力もありません。
そんなに長く生きれませんし。

宝くじが当たることも、
一緒に暮らすことも、
すべて無理だと解っていますが、

それがね、結婚して欲しいと真顔で言っていました。



嬉しかったんです。
心のこもったケアをして貰えてね。

何かで、恩返ししたかったんです。



今頃、担当の看護師さん、どうしているかな?

きっと、元気だろうな。


もし、
苦し事や、悲しい事、辛い事があると、
僕がそれを背負ってあげるよ。


老い先短いし。


それくらいしか、恩返しができないからね。



もし、
僕に幸せが舞い込んだら、
担当看護師さんに幸せをわけてあげるよ。



またいつか、手を握りたいな。



あなたの、あたたかい手を。



WANIMA -ともに
https://www.youtube.com/watch?v=qag4ewos4TE















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